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大切にしたい…ココロとカラダ

精神科ナースが語る。うつ病ってなんだろう?

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うつ病という病気をご存知でしょうか?

昨今では各種メディアを通じて報道されることも多いココロの病気の1つです。

今回はそんな『うつ病』について、出来る限り分かりやすくお伝えし来たいと思います。

それでは

精神科ナースが語る『うつ病』ってなんだろう?

最後までお付き合いください。

とっても身近なココロの病気

統合失調症の記事でも述べましたが、このうつ病も『身近であり、他人事ではない』ココロの病気です。

全世界では3億5千万人。

日本では73万人。

と、こんなにも多くの方がうつ病で悩んでいるのです。

自分の身の回りにも、思い当たる方がいる人も少なくないと思います。

ではうつ病とは一体どんな病気なのでしょうか?

うつ病の原因

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『どうしてうつ病は起こるのか?』

うつ病に限った話ではないのですが、精神疾患のほとんどはハッキリとした原因が良く分かっていません。

脳の神経伝達物質の働きが何らかの原因によって悪くなり、発病にいたると考えられております。

何らかの原因とぼかして記載しましたが、ストレスフルな生活や環境の変化、自身または家族の健康上の悩みなど様々な要因が挙げられ、これらが複雑に絡み合い発病に至ると考えられています。

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これらはほんの一例にすぎませんが、様々な要因がきっかけとなり発病することが多いと考えられています。

うつ病と抑うつ状態。

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うつ病を説明する前に、まずは『抑うつ』という言葉について触れたいと思います。

まず初めに抑うつ、抑うつ状態、抑うつ気分とは病気の名前ではありません。

『失恋やテストの結果が思わしくなくて、気分が落ち込む』

『仕事や勉強に取り組む気が起きない』

などのココロの不調はほとんど全ての人が経験したことがあると思います。

「悲しい」または「憂鬱」になり気持ちがズーンと沈んでしまう事を『抑うつ』と言います。

ちょっとした気分の落ち込みであれば友人と遊んだり、飲みに行ったりと発散することで、数時間から数日で回復すると思いますし心配は少ないと思います。

ですが。

時間が経過しても気分が晴れず、ずっと悩み続けている状態が続くとどうでしょうか?

仕事や学校などの日常生活に影響が出るほどまでに病的な状態=うつ病の可能性が高いと言われています。

実際には次のような診断基準があります。

1.抑うつ気分
2.興味または喜びの著しい低下
3.食欲の増加または減少、体重の増加または減少(1か月で体重の5%以上の変化)
4.不眠または過眠
5.強い焦燥感または運動の静止
6.疲労感または気力が低下する
7.無価値感、または過剰・不適切な罪責感
8.思考力や集中力が低下する
9.死について繰り返し考える、自殺を計画するなど
これらの5つ以上が2週間のあいだほとんど毎日存在し、またそれによって社会的・職業的に障害を引き起こしている場合、うつ病と診断される

(DSM-5 うつ病の診断基準)

少し専門的な用語が出てきましたが、次の項ではうつ病の症状について簡単にご紹介していきます。

うつ病のメカニズム

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前の見出しではうつ病のきっかけ、引き金となる原因についてご紹介しました。

大よその原因については明らかにされていますが『うつ病の症状がどのように起こるのか』というメカニズムはハッキリと解明されていないのです。

2017年現在の研究では、先述した原因によって『脳にある神経細胞の情報の伝わり方に障害が出る』ことでうつ病の症状が生じていることが報告されています。

脳細胞の情報伝達

うつ病の仮説をご説明する前に、脳細胞の情報伝達について触れておく必要があります。

私たちは普段から生活の中で、脳から『寝る』『食べる』『排泄する』などの基本的な動作を命令しカラダに伝えています。

こうやってブログを読んだり、ページをスクロールしたりする時も脳による指令があって、末端であるカラダが動作を出来る訳です。

脳からの命令は動作だけではなく、『気持ち』や『何かを記憶する』などの知的な情報に関する命令も担っています。

この時に活躍するのが『神経伝達物質』と呼ばれるものです。

神経伝達物質の1つであるモノアミン(セロトニンとノルアドレナリン)は『気持ちや意欲などの人間の感情をコントロールし、ココロとカラダの働きを活性化している』と考えられています。

では何らかの障害によってモノアミンの働きが弱くなってしまうとどうなるでしょうか

モノアミン仮説

実は何らかの原因によって『細胞と細胞の間にあるモノアミンの量が減り、情報がうまく伝わらない』ことがうつ病の症状に大きく関連すると言われています。

簡単な図を用意したのでご参照ください。

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ピンクの小さな丸がモノアミン(セロトニンやノルアドレナリン)です。

ご覧の通り、うつ病の方が健康な状態よりも伝達物質が少なくなっている事が分かりますね。

これにより様々な症状が発現すると考えられています。

では次の見出しで、うつ病の症状について見ていきましょう!

うつ病の症状って?

ここではうつ病の症状について簡単に解説していきたいと思います。

今回は『ココロの症状』と『カラダの症状』の2つに分けて記事を書きすすめていきます。

ココロの症状

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ココロの症状として挙げられるのが、先述した『抑うつ状態』と『思考・意欲・関心の低下』です。

抑うつ状態

  • 気持ちが落ち込んでしまう。
  • 悲しい、憂鬱な気持ちである。
  • よく分からないタイミングで泣いてしまう。
  • 未来に対して希望を抱けない。

 思考・意欲・関心の低下

  • 物事に集中できず、ケアレスミスが増える
  • 他者の言う事が理解できない。
  • 好きだった趣味が楽しくない。
  • 漠然とした不安を感じる。
  • オシャレや整容に関心がなくなる。
  • 他者と話すのが面倒になる。

これらの様な症状が見られます。

一方でカラダの症状はどうでしょうか?

カラダの症状

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ココロのバランスが崩れると、当然カラダにも影響があり様々な症状に悩まされる場合が多いです。特に多い症状を例に挙げて記載していきます。

睡眠の質の低下

うつ病の患者様の声を聞く中で、ほぼ全ての方が悩んでいたのが睡眠障害です。

  • なかなか寝付けない。
  • 夜中に何度も目が覚めてしまう。
  • 全然寝た気がしない。

のような『入眠困難』『中途覚醒』『熟眠感の低下』が症状として現れます。

人間の生活は大きく分けると「活動と休息」の2つに分けられますが、そのうちの半分を占める「休息」が満たされないことによって当然「活動」にも影響が出始めます。

疲労、倦怠感の蓄積

質の良い睡眠を得られないことが多いうつ病患者は、往々にして強い疲労感や倦怠感に悩まされます。

健康な人でも徹夜作業や短い睡眠時間が続くと、同じように感じると思いますが…。

疲れが取れず、カラダが重くてだるさを感じてしまうのが症状の1つとして挙げられます。

急激な体重の増減

ココロの症状で説明した意欲・関心の低下にも繋がると思いますが『何を食べても美味しいと感じない』『食べるという行動そのものが面倒』になり、食欲がわかずに急激に体重が減少する場合もあります。

一方で、急にデザートなどの甘いものが欲しくなり、食べ過ぎて体重が急激に増加する場合もある方もいらっしゃいます。

その他の不定愁訴

その他にも次のような症状が日常生活に強い影響を及ぼすとされています。

  • 頭痛や頭重感
  • 身体の様々な部位に痛みを感じる
  • 便秘になりお腹が張ってしまう
  • 動悸や息苦しさを感じる

これらの症状にはハッキリとした原因が分からない事が多いです。

うつ病になりやすい人?

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これはあくまで統計学的なデータに基づくもので、全ての人に当てはまる訳ではありませんが…。

  • 『真面目で責任感が強い人』
  • 『周囲からの評価や期待が高い人』
  • 『人当たりの良い人(八方美人)』

一般にこれらの特徴を持つ人が『うつ病になりやすい』と言われています。

どうしてなりやすいの?

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先述した特徴に当てはまる方の多くは

  • 『自分の許容量を超えて頑張りすぎてしまう(キャパオーバー)』
  • 『苦労や悩みを1人で抱え込んでしまう』
  • 『何事にも全力で完璧を目指そうとする』

このような傾向になりがちと言われています。

画像にあるように、これらの頑張りによって心とカラダの均衡が崩れてしまい、バランスが取れなくなると、うつ病になってしまう可能性が高まるという訳です。

「あぁ、自分はこのタイプに当てはまるかも…。」

と感じたあなたは、チャンスかもしれません。

もちろん慣れ親しんだ自分の性格や生き方を変えると言うのは容易ではありません。

ただ統計学的にうつ病になりにくくするためには、自分の出来る範囲内で少しずつ考え方や行動を変えていくこと大切と言えます。

おわりに

ここまでうつ病の概要や症状、分類についてお伝えしてきました。

統合失調症の記事でも同じように書きましたが、うつ病やその症状は、その人の特徴ではなく病気なのです。

非好意的な先入観を抱きやすい精神疾患ですが、かつては私もそう思っていました。

病気ではない人からすると、元気や活気の無い変な人と思うでしょうが

その人の性格や特徴ではなく、病気や症状が悪さをしていると捉えれば

『偏見』を抱く方も少なくなるのではないかと思います。

本記事を読んでうつ病への理解が深まり、偏見を抱く方が少なくなればと願いつつ、精神科ナースが語る。うつ病ってなんだろう?を終わりたいと思います。

最後までご閲覧いただきありがとうございます。

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