CandY

大切にしたい…ココロとカラダ

精神科ナースが語る。統合失調症ってなんだろう?

f:id:nishi244455666:20170831024948p:plain

統合失調症というココロの病気を知っていますか?

一度は耳にしたことがあるという方もいると思います。

日本はココロの病気についてクローズドにしてきた背景もあり、

この病気を知らない人も少なくないと思います。

今回はそんな統合失調症について簡単に、出来る限り分かりやすくお伝えし来たいと思います。

それでは

精神科ナースが語る『統合失調症』ってなんだろう?

最後までお付き合いください。

統合失調症は病気です。

f:id:nishi244455666:20170905003339j:plain

変な見出しで始まりましたが…

統合失調症は病気』なのです。

実はこれが統合失調症を理解する上でとても重要なことだと私は考えています。

 

精神疾患に対してネガティブなイメージをお持ちの方も少なくないと思いますが、その多くは偏見であると私は感じています。

  • 病気であるという認識が薄い
  • 何をするか分からない怖さ
  • 近寄りがたいイメージ

客観的な根拠もなしに、非好意的な先入観を抱かれやすい精神疾患ですが、まずは『病気である』という事を理解して頂ければと思います。

 

統合失調症を患っている方は症状に悩まされ、生き辛さ抱えて生活をしています。

病気である以上、身体疾患も精神疾患も変わりはないのです。

100人に1人が患う病気

f:id:nishi244455666:20170831025038p:plain

この病気はそこまで他人事ではないのです。

日本全国には約74万人の方が統合失調症に苦しんでいるされていますが、これは『100人に1人』がこの病気で苦しんでいるという事です。

失恋や離婚家庭内の不和身内の不幸夢が叶わなかったなど発症の理由も様々であり、誰でも罹る可能性がある病気なのです。

100人に1人というと

  • 全校生徒500人の学校では5人
  • 社員数2,000人の企業では20人

の確率で悩んでいる方がいるという事を意味しています。

意外と多いと思いますし、身近な病気であることも伝わったと思います。

では一体どんな病気なのでしょうか?

統合失調症の症状について

統合失調症は精神機能が分裂するような状態であり、考えや気持ちがまとまりにくくなるのが症状の特徴です。

具体的には

  • 認知機能
  • 感情
  • 意欲
  • 行動
  • 自我意識

など様々な箇所で障害が見受けられます。

統合失調症の症状は大きく分けると『陽性症状』と『陰性症状』の2つのカテゴリーに分類できます。

今回は症状の概要について簡単にご説明していきます。

陽性症状って?

f:id:nishi244455666:20170905010759j:plain

陽性と陰性の違いについて、混乱してしまう人がいると思うので説明します。

陽性症状とは、健康な人には見受けられない状態や感じられない体験が、症状が出てきてしまうものを言います。

つまり健康な人を『0』とした場合に、本来無いはずの状態・体験が『+』として発現するという事です。

妄想

f:id:nishi244455666:20170905011443p:plain

客観的に捉えて有り得ない、受け入れがたい状況について強い確信を持つ、または完全に信じ込んでしまう事を指します。

妄想の内容は、本人にしか理解できないものが多く、矛盾点を指摘したり、説明をしたとしても訂正することが困難であることがほとんどです。

妄想の種類は多岐に渡りますが、今回は一部を抜粋します。

  • 誰かが常に自分を見張っている。
  • 自分の考えが外に漏れ出ている。
  • 自分は神であると思いこむ。
  • 飲食物に毒が入っていると思いこむ。

4つ目を『被毒妄想(ひどくもうそう)』と言いますが、

『毒が入っている』という通常は有り得ない状況を完全に信じ込んでいます。

もちろん

「毒なんて入っていませんよ。」等と声をかけても訂正は難しい場合が多いです。

幻覚

f:id:nishi244455666:20170905011500p:plain

実際には起きていないことを、現実的な体験として知覚することをいいます。

『幻聴』という言葉を聞いたことがあると思いますが、幻覚の1つとして挙げられます。

  • 幻聴
  • 幻視
  • 幻臭
  • 幻味
  • 体感幻覚

幻聴は、実際には周りに誰もいない、もしくは誰も話をしていないにも関わらず、誰かの声が聞こえてくるという症状ですが、

その内容は本人の考えに否定的、批判的な事が多く、病的体験によって行動が左右される場合があります。

例として

『服を着替えたら、酷い目に遭う。着替えるな。』と命令性の幻聴が聞こえてしまう病的体験によって、何日も服を着替えられず行動が左右される。

などが挙げられます。

陰性症状って?

f:id:nishi244455666:20170905010832p:plain

陽性症状は健康な人には無いはずのものが、症状として現れるとお伝えしました。

陰性症状はその逆だと思えば分かりやすいと思います。

健康な人間には当たり前にあるはずのものが、欠落してしまっている状態のことを指します。

健康な人を『0』とした場合に、本来あるべきはずのモノが無く『-』の状態という事ですね。

感情の平坦化

言葉の通り、感情が平坦になり喜怒哀楽の表現が乏しく外部に表れないという症状が見られます。

また他人の感情にも共感することは少なく、日常生活に大きな影響が出てしまいます。

意欲の低下・無関心

自分から何かをしようとする意欲が低下してしまう、また世の中に関心が持てず他者とのコミュニケーションを取ろうとしないような症状が見られます。 

症状のまとめ

f:id:nishi244455666:20170509115251j:plain

本来見受けられないはずの幻覚が、症状として見受けられるのが陽性症状。

本来有るべきはずの意欲や感情表現が、低下もしくは無くなるという症状が陰性症状。

両者の違いについて、ご理解いただけたでしょうか?

余談ですが、看護師の国家試験問題でも取り上げられることもあると思うので、ご参考までに…。

統合失調症のタイプ

f:id:nishi244455666:20170905011320p:plain

統合失調症は、大きく分けると

  • 破瓜型(はか型
  • 妄想型
  • 緊張型

の3つのタイプに分類できます。

これらのタイプはとても教科書的に定義されており、統合失調症にお悩みの全ての方が当てはまる訳ではありません

ただタイプが分かる事で、おおよその症状や予後、経過の予測がし易くなるため、対象者やそのご家族様にとって、治療のためにはどうすれば良いのかを考えやすくなると思います。

ここでは破瓜型と妄想型について取り上げます。(近年少なくなってきたと言われる緊張型については割愛させて頂きます。)

破瓜型

見慣れない単語だと思いますが、破瓜(はか)と読みます。

女子十六歳のこと。「瓜」字が「八」字を二つ合わせたように見えるところから漢詩文で用いられる表現。

破瓜 - Wikipedia

つまり破瓜型は大体16歳前後で発病することが多く見受けられる統合失調症のタイプです。

また破瓜型は、解体型と呼ばれる場合もあります。

破瓜型の特徴

  • 16歳前後~20代中盤までの間に好発
  • 主に陰性症状が発現する
  • ゆっくりと症状が出始める
  • 予後はあまり良くない

破瓜型の多くは『陰性症状』が中心に発現し始めます。

妄想や幻覚などの激しい症状は認めないものの、

  • 意欲の低下
  • 感情の平坦化
  • 自閉的
  • 社会性の低下

などの症状がゆっくりと見受けられるのです。

比較的分かりにくい『陰性症状』が『ゆっくり』と現れることが多いので、周囲の人が発病に気付くのが遅くなる傾向にあります。

うちの子…学校を休むことも多いけど…多感な時期だし…

などのように親や家族でも、病気を発見するのに時間がかかってしまう事も少なくありません。

発見や治療が遅れが、予後の悪さへ影響していると言われています。

妄想型

代表的な陽性症状である『妄想』が多く見受けられるのが妄想型統合失調症です。

統合失調症の分類の中で最も多くの患者さん悩んでいるのが、この妄想型です。

一般的には次のような特徴が見られます。

妄想型の特徴

  • 発症が30歳前後と破瓜型より遅い
  • 主に陽性症状が発現する
  • 予後は比較的良い

陰性症状が中心の破瓜型とは異なり、妄想型は幻覚や妄想などの『陽性症状』が見受けられます。

幻覚や妄想はハッキリと症状として分かる場合が多く、比較的早い段階で治療をスタートすることが可能であり、予後は良好であるとされています。

おわりに

f:id:nishi244455666:20170425215922j:plain

ここまで3,000文字に渡って統合失調症の概要や症状、分類についてお伝えしてきました。

繰り返しますが、統合失調症は病気なのです。

非好意的な先入観を抱きやすい精神疾患ですが、かつては私もそう思っていました。

病気ではない人からすると、奇妙な行動やおかしな言動と思うでしょうが

その人の性格や特徴ではなく、病気や症状が悪さをしていると捉えれば

『偏見』を抱く方も少なくなるのではないかと思います。

本記事を読んで統合失調症への理解が深まり、偏見を抱く方が少なくなればと願いつつ、精神科ナースが語る。統合失調症ってなんだろう?を終わりたいと思います。

最後までご閲覧いただきありがとうございます。

はてなブックマークやSNSでシェアなどご支援していただければ幸いです。